「奥歯がない・他の歯医者ではインプラントが難しいと言われた」インプラント治療(40代・女性)

この症例は40代女性の患者様で、「奥歯がない・他の歯医者ではインプラントが難しいと言われた」ということで来院されました。
サイナスリフト法を行った後に、インプラント治療(2本)を行いました。


図①

術前のCT。インプラントを埋入したい部分の骨が1.5mmほどの厚さしかありません。(図①)

図②

通常の高さ(8~9mm)のインプラントを普通に埋入すると骨を突き破り上顎洞(鼻の空洞の一部)に突き抜けてしまいます。(図②)

そのためサイナスリフトが必要になります。

治療直後のCT。

顎骨の側面部に小さい穴をあけて、上顎洞粘膜を挙上(サイナスリフト)そこに骨の足場になる人工物と患者さんの血液から作成したPRP(多血小板血漿)の混合物を留置し、骨の足場を作成します。そこにインプラントを留置するという非常に専門性の高い処置をしています。

インプラント埋入。半年後。

骨の足場が骨に置き換わっています。上顎洞炎なども生じていません。

上部構造セット直後。3本のうちの2本の奥歯がインプラントの被せ物です。

インプラント埋入から約7か月後になります。

定期健診。被せ物入れてから、約半年。(インプラント埋入から約1年)

痛み、動揺、感染認めません。


症例データ

・主訴:奥歯がない。他の歯医者ではインプラントが難しいと言われた。
・治療名:インプラント
・治療内容:インプラント2本(サイナスリフト適用)
・費用:35万円+税×2(サイナスリフト代、PRPを用いた再生療法代込)、上部構造10万円+税×2本
・通院回数:8回
・通院期間:8か月
・メリット:入れ歯と違い邪魔なところが一切ないので、ほとんどご自身の歯と同じように違和感、異物感なく使用できます。ブリッジのように隣の歯を削ることがないので、他の歯に優しい診療です。インプラント、ブリッジ、入れ歯で比較するとトラブルが最も起きにくいです。
・リスク・副作用:上顎洞への穿孔、副鼻腔炎、インプラント周囲炎、インプラントの脱落などのリスクがあります。 ※今回の症例では処置終了後半年間(インプラント埋入から約1年間)経過していますが、いずれも生じていません。