「前歯が黒い」ダイレクトボンディング(30代・男性)

この症例は30代男性の患者様で、「前歯が黒い」ということで来院されました。
ダイレクトボンディング(健康保険適用)で修復しました。


Before

裏面に虫歯があり、前面から黒い虫歯が透けて見えます。

After

ダイレクトボンディング(直接法によるCR修復 ※健康保険適用)で修復しました。

樹脂の材料はセラミックなどと違い、劣化する前提の材料になります。そのためしばらくするとやり直す必要が多いです。
※虫歯の再発につながるため、臼歯部の隣接面にはできません。


症例データ

・主訴:前歯が黒い
・治療名:ダイレクトボンディング
・治療内容:ダイレクトボンディングで綺麗にしました
・費用:健康保険適用
・通院回数:1回
・通院期間:1日
・リスク・副作用:欄外(この下)に記載

ダイレクトボンディングのリスクと副作用・その他

ダイレクトボンディングは樹脂の材料を虫歯をけずったところに直接流し込んで光で硬化させる方法になります。

利点

・最初の仕上がりが非常に綺麗です
・最初の歯を削る量は少ないです。

ただし、劣化すると1~5年ごとにやり直しする必要があるため、それを含めると最終的に歯を削る量が大きくなります。

欠点

樹脂の材料は非常に劣化が早いです。最初は綺麗なのですが、1~2年経過すると茶色く変色することが多いです。また隣接面を綺麗に仕上げるのが難しいです。
さらに熱膨張係数が歯牙と大きく異なっており、時間経過とともに詰めたところに隙間などができやすいです。

現状までにいろいろなやり方や材料を試しましたが、基本的には1~5年ごとぐらいの修復(リペア)が必須となっております。学会などでもリペアは仕方がないとの結論に  なっていますが、リペアをするとどんどん 本来健康であった歯が削れていき、非常に歯に優しくないです。

当院では適用に以下のルールを設けています。

・そもそも小さいう蝕に関しては削らずに経過をみる。
臼歯部の隣接面には使用しない。
・前歯に使用する場合は極力裏側から削り、前面の健康な歯を極力残す。

ダイレクトボンディング(CRを用いた直接充填)によくあるトラブル

CR充填後の変色、欠け(他院症例)

CR充填後の変色(当院症例 健康保険対応)

① 最初の虫歯

② 治療終了直後

③ 1年経過後(残念ながら、詰めた辺縁部が若干変色)

→実質欠損(穴や隙間)はないので経過観察中。

他院でダイレクトボンディング(自由診療)で治療したが、1~2年の間に複数回の欠けた。物が挟まりやすい。

隣接面(歯の間)の形態不良(他院での自由診療のダイレクトボンディング)